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今日のお昼のライブでは、50年住宅ローンについて話しました。
このアーカイブ記事では、ライブで話した内容を文字に起こしながら、当日は時間の都合で駆け足になった部分も含めて、あらためて整理していきます。
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音声で聞いてくださった方は復習として、読むだけの方は今日の話の全体像として、読んでみてください。
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変動型の57.5%が、もう50年ローンを選んでいる
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私のフォロワーさんは40代・50代の方が多いので、今から50年ローンを組む人は、おそらくいないと思います。
それでも今日この話をしたのは、仕組みそのもの、構造そのものを知っておいてほしかったからです。
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まず数字を一つ、訂正させてください。
ライブの中で「変動型の住宅ローンを組む人のうち57.5%が50年ローンを選んでいる」とお伝えしましたが、これは正確ではありませんでした。
読者の方に指摘をいただき確認したところ、57.5%は住宅金融支援機構の調査(2025年度、住宅ローンを扱う金融機関298社が対象)による数字で、「変動型住宅ローンを扱う金融機関のうち、最長返済期間を50年に設定している機関の割合」でした。
前年度の33.8%から大きく増えています。
つまり、借り手が実際に50年ローンを選んでいる割合ではなく、金融機関側が50年という選択肢をどれだけ用意しているか、という数字です。
では実際に借り手側はどうかというと、国土交通省と住宅金融支援機構の別の調査(2025年4月、民間住宅ローンの実態に関する調査)では、35年超50年以内のローンを選んだ人は25.5%でした。
2022年4月の調査時点では9.3%だったので、こちらも短期間で大きく伸びています。
金融機関の供給体制と、借り手の実際の選択、どちらの数字で見ても、この数年で急速に広がっていることは共通しています。
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去年まで一番多かったのは40年ローンでした。
それを上回って、今は50年が主流になりつつあります。
35年超から50年までを選んだ人は、20代で70%、30代で49%という調査もあります。
もう一部の人の話ではなく、20代にとってはすでに標準の選択肢になりつつあるということです。
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賛成派と反対派、意見は真っ二つ
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この状況について、経済評論家や元銀行員、専門家の間でも「絶対に組むべきではない」という声と、「使い方さえ間違えなければ合理的」という声に、はっきり分かれています。
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反対派の主張はこうです。
若いうちに巨額の借金を背負うと、転職や移住といった人生の選択肢そのものが狭まる。
総支払い利息は数百万から一千万単位で増える。
目先の返済額の安さにつられて高い物件を買ってしまうと、老後に破綻するリスクが高すぎる。
だから絶対に組むべきではない、という立場です。
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賛成派の主張はこうです。
返済期間を伸ばすと毎月のキャッシュフローが安定する。
浮いた分を運用や自己投資に回せば、金利以上の利回りで資産を育てられる。
理的な資金戦略として使える、という立場です。
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ここで大事なのは、どちらが絶対に正しいかではありません。
50年ローンという道具そのものは中立で、使う人によって、これから話す2つの道にはっきり分かれてしまう、ということです。
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友人の持ち家11年が教えてくれたこと
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その前に、友人の話をさせてください。
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私の友人が、大手ハウスメーカーの持ち家に11年住んでいました。
買った時はもちろん気に入って買っているし、いい家だと思っていた、と言っていました。
でも住んでみると、ドアの調子が悪くなったり、雨水を流す排水設備が壊れたり、壁にひびが入ったりして、想定していたよりずっと高い頻度で、ずっと高い金額の修繕が発生したそうです。
ローンの返済だけでなく、固定資産税、保険料、修繕費が積み重なっていく。
今はその持ち家を手放して、賃貸に移っています。
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「家賃と変わらない金額で自分のものになりますよ」という営業トークを聞いたことがある人は多いと思いますが、その先にある維持費まで含めると、実際のコストは家賃より膨らむことがある。
友人の話を聞いて、あらためてそう感じました。
今日はこの話を土台にしながら、50年ローンの話をしていきます。
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浮いた37万円が、人生を分ける分かれ道
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まず、50年ローンの仕組みは単純です。
返済期間が35年から50年に伸びる分、毎月の返済額が下がります。
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5000万円を借りた場合、35年ローンなら月16万3000円、50年ローンなら月13万2000円。
差額は月3万1000円、年間でおよそ37万円です。
しかも、返済期間が伸びる分、審査上の毎月返済負担額が下がるので、借りられる金額そのものも伸びます。
35年ローンだと年収の7〜8倍が上限ですが、50年ローンにすると10〜12倍まで借りられるようになります。
東京23区の新築マンションの平均価格は今、1億3600万円を超えています。年収600万円の人が、本来の適正な借り入れ額の目安(年収の5〜6倍)で計算すると、3000万〜3600万円しか借りられません。
でも50年ローンを使えば、その2倍近くまで手が届いてしまう。ここに今日の話の一番の危うさがあります。
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この年間37万円を、どこに向けるかで、まったく違う2つの道に分かれます。
ひとつは、物件の値段はそのままにして、浮いた37万円をNISAでの運用や自己投資に回す道です。
住宅ローンの金利は今1〜2%程度なので、それを上回る利回りで運用できれば、家計に無理をかけずに資産を育てられます。
これが成功パターンです。
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もうひとつは、借入枠が増えたことに乗っかって、より高い物件を買ってしまう道です。
同じ毎月返済額で比べると、35年ローンより約1.4倍の物件が買えてしまう。
5000万円の予算が7000万円まで伸びる計算です。
この場合、毎月の返済はカツカツのまま、返済期間だけが15年伸びることになります。
これが失敗パターンです。
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50年ローンそのものが悪いのではなく、借入枠が増えた時に、その枠を何に使うかで明暗がはっきり分かれる、という話です。
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元本はほとんど減らない、という現実
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ここからもう少し踏み込んだ数字の話をします。
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50年ローンは返済期間が長い分、返済初期は支払いのほとんどが利息に回って、元本はほとんど減りません。
例えば、29歳の人が5000万円を50年ローンで借りたケースで見ると、5年後の残高は4605万円。
たった395万円しか減っていません。
同じ条件の35年ローンであれば、5年で612万円が減って、残額は4388万円になります。
この差は200万円以上あります。
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これが何を意味するかというと、途中で転勤や離婚があって家を売りたくなった時、住宅の価値よりもローン残高の方が大きい、いわゆる「オーバーローン」の状態になりやすいということです。
数百万円の自己資金を足さないと、売るに売れない状態になってしまいます。
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そして65歳、定年を迎えた時点の残高を見ると、35年ローンであればちょうど完済しています。
でも50年ローンだと、まだ1600万円が残っています。
厚生年金の平均受給額は月15万円程度、夫婦でも月21万円程度と言われています。
そこから住居費に月10万円前後が出ていくとしたら、残る生活費は数万円になります。
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1998年、日本はこの道を一度歩いている
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実は、この超長期ローン、日本では一度、苦い前例があります。
初めてではないんです。
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1998年頃、住宅金融公庫が、当初金利を通常の半分程度に抑えた超長期ローンを、国主導で広げたことがありました。
給料は右肩上がりになるという前提で、返済額が段階的に上がっていく仕組みだったんですね。
ところが、11年目に月8万5000円から13万円を超える返済額が急増するタイミングで、リーマンショックが直撃してしまいました。
結果、延滞率が8%台まで跳ね上がってしまったんです。
今の住宅ローン全体の延滞率が約1%であることを考えると、8%がどれだけ異常な数値だったかが分かります。
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同じことがそのまま起きるとは思いません。
ただ、将来は今より良くなっているはずという前提で長期の借金を組むことの怖さは、覚えておいた方がいいと思います。
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変動金利の「見えない上乗せ」と、繰り上げ返済を急がない理由
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だからこそ、金利タイプの選び方は大事になります。
今、50年ローンの利用者の過半数は変動金利を選んでいます。
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でも変動金利には、いわゆる「5年ルール」「125%ルール」というものがあって、金利が急に上がっても、すぐには返済額に反映されない代わりに、未払いの利息が発生して元本に上乗せされることがあります。
返済しているのに残高が増えていく、という状態が起こり得るんですね。
専門家の中には、50年という誰にも読めない長さで金利変動のリスクを取るなら、全期間固定金利一択だという人もいます。
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じゃあ繰り上げ返済をどんどんやって早く楽になればいいのか、というと、私はそこも慎重派です。
金利負担を減らそうとして繰り上げ返済をすると、手元の現金が減ります。
病気、介護、教育費の増加、仕事の不安定化。
将来の不測の事態に対応する体力が、その分だけ落ちてしまいます。
住宅ローンの金利は1〜2%程度です。
それなら手元の現金を厚くしておくことの安心感の方が、その金利差より大きいというのが、私の考えです。
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今日の3つの持ち帰り
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今日話したことをまとめます。
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1つ目、
50年ローンはもう一部の人の選択肢ではなく、変動型の過半数が選ぶ標準になりつつあること。
専門家の間でも賛否は真っ二つに割れています。
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2つ目、
浮いた返済額を運用や自己投資に回すか、物件のランクアップに使うかで、20年後の景色がまったく変わること。
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3つ目、
元本が減るスピードがとても遅いので、途中で売りたくなった時にオーバーローンで身動きが取れなくなるリスクがあること。
老後に残る返済額も含めて、1998年の教訓と、金利タイプは全期間固定も選択肢に入れて考えること。
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50年ローンそのものは、良いものでも悪いものでもありません。
ただ、使い方を間違えると老後の生活を圧迫するし、正しく使えば資産形成の追い風にもなります。
その分かれ道を、自分の頭で判断できるようになることを目指してほしいです。
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明日は、この話の続きを書きます
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今日一番伝えたかったのは、実は数字そのものよりも「道具そのものは中立で、使う人によって明暗が分かれる」という視点でした。
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これは50年ローンだけの話ではありません。
同じ月々の負担で、資産の規模を大きくする。
これは金融の世界では「レバレッジ」と呼ばれるものと、ほとんど同じ構造です。
借入枠を広げて物件価格を上げるのか、それとも物件価格は変えずに返済期間だけを延ばすのか。
この2つは、同じ「50年ローンを選ぶ」という決断の中でも、実はまったく違う種類のリスクを背負っています。
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明日は、このレバレッジという考え方を住宅ローンだけで終わらせず、株式投資や信用取引、FXといった他の資産運用にも応用できる形で、もう一段深く整理していこうと思います。
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